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Japanese tea ceremony in Tokyo

「お茶会で出されるお菓子って、なんだか特別そう…」

そう思っていませんか? 茶席でいただく和菓子は、ただの甘いおやつではありません。抹茶の味をぐっと引き立て、茶室を和やかにし、亭主(おもてなしをする人)の温かい心遣いを伝える、大切な役割を担っています。

この記事では、茶の湯に初めて触れる方にも分かりやすく、茶席の和菓子の奥深い魅力をたっぷりご紹介します。「干菓子と主菓子って何が違うの?」「季節によってお菓子も変わるの?」といった素朴な疑問も、きっと解消できるはずです。

茶席の和菓子の基本:「干菓子」と「主菓子」

茶席でいただく和菓子は、役割や水分量によって大きく「干菓子(ひがし)」「主菓子(おもがし)」の2種類に分けられます。

現在は、薄茶に主菓子が出されることも珍しくありません。「濃茶には主菓子が基本だが、薄茶に主菓子もよくある」くらいの気持ちで、気楽に楽しんでください。

五感で楽しむ和菓子の世界

和菓子は、見た目、香り、味、触感、そして菓銘(お菓子の名前)に込められた物語を通じて、五感で季節の移ろいを感じさせてくれる芸術品です。

軽やかさと繊細な美を持つ「干菓子」

干菓子は、水分が少なく、日持ちしやすいのが特徴です。

季節を映す芸術品「主菓子(生菓子)」

主菓子は水分が多く、見た目の美しさから「季節を映す芸術品」とも呼ばれます。

季節を愛でる:菓銘に込められた物語

茶席には、その季節の気配を映す和菓子が欠かせません。和菓子の菓銘には、古典文学や自然の情景などから取られた深い意味が込められています。

菓銘に思いをはせることで、和菓子が単なる食べ物ではなく、日本の文化や美意識を凝縮したものであることを深く感じられます。

流派の趣向:初釜に見る「決まり菓子」

茶道には多くの流派があり、お茶の点て方だけでなく、和菓子の選び方にも独自の考え方があります。

特に新年の「初釜」は大切な行事で、三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)にはそれぞれ代表的な「決まり菓子」があります。これらの菓子には、各流派が大切にする美意識や哲学が象徴されています。

流派代表的な初釜の主菓子特徴・意味合い
裏千家花びら餅平安時代の宮中儀式に由来。新年の寿ぎと華やかさを象徴。
表千家常盤饅頭白い薯蕷饅頭の中に緑餡。雪をかぶった松の姿にたとえられ、静謐な美しさが特徴。
武者小路千家都の春紅と緑のきんとんで京の春の景色を表現。華やぎを象徴。

茶席でのお菓子のいただき方

茶席でお菓子をいただく際には、基本的なマナーがあります。

黒文字の持ち帰りについては、茶会の種類によって対応が変わることもあるため、臨機応変に対応できるとスマートです。大切なのは、ルールではなく「相手を思いやる気持ち」です。

さいごに:季節を味わう、和菓子の愉しみ

和菓子は茶席の楽しみの一つであり、お茶の味を深め、茶席の空間を和ませ、亭主の深い心遣いを伝える大切な役割を担っています。

一つひとつのお菓子が持つ文化や季節感を、ぜひ五感で楽しんでみてください。和菓子を通じて、あなたの茶の湯の時間が、季節とともに彩り豊かなものになることを願っています。